マフィア―その神話と現実 (講談社現代新書)
によって 竹山 博英
3.7 5つ星のうち(4人の読者)
マフィア―その神話と現実 (講談社現代新書)無料ダウンロードkindle - 内容(「BOOK」データベースより) 秘密の入会儀礼。鉄の規律。ゴッドファーザーと「名誉ある男」たちに率いられ、「沈黙の掟」によって守られた謎の組織=マフィア。麻薬、闇賭博、売春など、血と暴力が支配する一大犯罪シンジケートの恐るべき実態に光を当てる。 著者について 1948年、東京生まれ。東京外国語大学イタリア語科卒業。1979年から81年にかけてローマ大学留学。専攻は、イタリア文学と民俗学。著書に、『シチリア・神々とマフィアの島」、『マフィア――シチリアの名誉ある社会』――ともに朝日新聞社、訳書に、『真昼のふくろう』(L・シャーシャ)――朝日新聞社、『神話、寓意、徴候』(C・ギンズブルグ)――せりか書房――など。
マフィア―その神話と現実 (講談社現代新書)の詳細
本のタイトル : マフィア―その神話と現実 (講談社現代新書)
作者 : 竹山 博英
ISBN-10 : 4061490419
発売日 : 1991/2/20
カテゴリ : 本
ファイル名 : マフィア-その神話と現実-講談社現代新書.pdf
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イタリアは、芸術は一流だが、経済は二流、政治は三流の国だ。近代国民国家として統一されるのが遅れ、しかもその統一が北部による南部の植民地化のような形で進んだため、南部の人には国家への帰属意識がいまもって稀薄で、口利き政治、利権屋政治のようなレベルでしか政治に関心をもたない人が多いと聞く。そうした社会構造が生み出した膿のようなものが、シチリア・マフィアを中心としたマフィアだとのことで、今もって国家はその「影の権力」に蚕食され、まともな統一国家の体をなしていない。この状態に憤りを覚えてマフィア撲滅に断固として立ち上がったファルコーネ判事やボルセッリーノ判事は、1992年にともに爆弾テロに斃れ、その死は、国家的顕彰の対象となった。しかし、それでも、いまもってイタリア共和国は、彼らの遺志を全面的に生かす方向へと歩んではいないように見える。私はイタリアといえばその明るい面である芸術や食べ物にしか関心がなかったのだが、最近になって影の面であるマフィアのことも知らなくてはイタリアを知ったことにはならないと思い、資料を集めはじめた。英語ではJohn Dickie著"Cosa Nostra: A History of the Sicilian Mafia"という本があり、イタリア語訳も出ており、近年のことまでが書いてある。また、2007年にイタリアで放送された『コルレオーネ』というセミドキュメンタリーの連続テレビドラマのDVDもAmazonで手に入る。が、日本語で読める、近年の情勢までを含めたマフィア問題の手ごろな入門書は、ほとんどない。本書の叙述は、ファルコーネとボルセッリーノの殉職事件が起こる前までで終わっており、1980年代の「マフィア大裁判」までの経緯を知るには手ごろな本だが、92年以降のことがないので、今読むと物足りない。また、ナポリのカモッラや、カラブリアのヌドランゲタなど、広義の「マフィア」だが主流ではないものへの言及にページが割かれているため、シチリア・マフィアの話の占める割合が小さい。著者にはいまいちどがんばって、シチリア・マフィアに焦点をしぼった続編を書いてもらいたいものだ。
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